このページでは、バリ取り機に使われる研磨剤・研磨メディアの種類や、それらを活用したバリ取り方法などを解説しています。バリ取り機の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
バレル加工(バレル研磨)とは精密部品などを対象ワークとして利用される研磨方法です。研磨作業では、ワークを投入したタンクへ研磨剤(コンパウンド)と研磨メディア(研磨石)を入れ、タンクを動かすことで研磨メディアがワークへ衝突しバリ取りを行います。
バリ取りを行う物質は研磨メディアですが、研磨剤(コンパウンド)がワークと研磨メディアの衝突によって生じるワークへのダメージを軽減したり、ワークの腐食を防止したりする効果を持っています。
なお、バレル研磨にも回転バレル研磨や振動バレル研磨など、複数の種類があるのも特徴です。
ショットピーニングとは、無数の鉄製ボールや非鉄金属製ボールを投射材(研磨メディア)としてワークの表面に衝突させ、その衝撃でバリ取りを行う方法です。
ショットピーニングではボールがワーク表面にぶつかるため、バリを除去した後の表面には数多くのくぼみが生じることも特徴となっています。また、このくぼみがワークの表面硬度を向上させたり、耐久性を高めたりといった特性を獲得させます。
ショットピーニングで用いられる研磨メディアには色々な種類があることもポイントです。
研磨剤(コンパウンド)には液体のものや粉体のものがあり、ワークの特性や研磨メディアの種類、バリ取り加工法などに応じて選定されます。
ベースとなる砥粒を、粘度や長石などセラミック質の粘土質結合剤を使って高温焼成させた研磨メディアです。気孔の割合は多くとも10%程度であり、バリ取りや表面仕上げの目的に合わせて粗仕上げや中仕上げ、細仕上げといった種類に分けられています。
それぞれの用途に合わせてメディアのサイズや形状も異なっており、球体から非球体まで色々なものが活用されています。
ビトリファイド系メディアはスチールメディアや樹脂系メディアと比較して硬度が高く、気孔が多いといった点が特徴です。特に気孔が切りくずの排出を促すため、加工後のドレッシング工程が楽になるといったメリットもあります。
基本的に砥粒を使っておらず、高温焼結されたアルミナ微粉末が結合材と研磨剤の両方を兼ねている研磨メディアです。気孔は一般的にゼロへ近くなっていることも特徴です。
バリ取りや研磨の工程に合わせて細仕上げや光沢仕上げといった分類がされており、その目的に応じて形状やサイズが工夫されています。なお、例外的に砥粒を含んでいるものもあります。
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂といったプラスチックを結合材として作られる研磨メディアです。気孔はほとんどありません。
加工の目的やワークの性質に合わせて中仕上げや細仕上げなどの分類がされており、柔らかい金属を使われているワークの加工でも2次バリの発生リスクを抑えられる点がメリットです。ただし、研磨能力そのものは、ビトリファイド系メディアのほうが得意とされています。
トウモロコシの芯やクルミの殻などをミキサーで砕いて細粒とし、それらの表面をワックス材によってコーティングして研磨メディアとした製品です。
主な用途としては乾式研磨における光沢仕上げとなっています。
研磨メディアとしてとても柔らかいことが特徴であり、特にダメージを与えたくない精密ワークの加工を目的とした場合などに利用されることが多くなっています。また、プラスチック系メディアと比重や硬度が似ているため、代替材として利用されることも少なくありません。
ステンレスやクロム鋼といった金属を使って作られている研磨メディアであり、砥粒を必要としていません。バリ取りや研磨に用いられるだけでなく、ショットピーニングではワークの表面を叩いてピーニング作用をもたらすため、表面硬度の強化といった目的にも利用されています。
一般的に球体の研磨メディアが使われますが、状況に合わせて不定形のメディアが利用されることも特徴です。
ガラスビーズや、それをさらに粉砕して細かくしたガラスパウダーなどがガラス系研磨メディアとして用いられています。ワーク素材は鉄系金属や非鉄金属となっており、金型や精密加工品などを対象としてバリ取りや皮膜除去、ピーニング作用の獲得などを目的として利用されることが一般的です。
加工後のクリーニング工程が楽に行えるのがメリットとされています。
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